工業用ブラシ
工業用ブラシについて
#2 チャンネルブラシ
#1 チャンネルブラシ
手植えブラシ
数多あるブラシの製造方法の一つに『手植え植毛』が有ります。見かけ上は歯ブラシなどと同じ打ち込み式のようですが…実は違います。こちらは素材の裏側から針金を通し、毛を編み込むようにして植毛する職人の技です。東京近辺では伝統工芸品としての手植えブラシが有名であったりするのですが、実は工業向けでも多く用いられる手法でもあります。無条件とまでは行かないものの、通常では加工し難い素材や形状であったとしても、この方法であれば対応可能であったりするからです。
例えば打ち込み式は金属線を素材に食い込ませて毛を留める手法ですが、対象が金属の場合は線が通りません。つまり毛が植わらない訳です。しかし手植えであれば、素材に裏穴を空けさえすれば金属でもブラシ植毛が可能です。
また機械では扱い難い素材を毛として用いたりする場合にも有効な手法です。写真のブラシがその代表格で細い銅線を毛として密に植えた品です。細い銅線は機械では扱い難い部類ですし、それを密に植えるのもまた機械ではやり難い部類です。
人の手ならではの万能さ。機械を超える職人の技ですね。